忘れもしない。それは、あたしが中学2年生の1月2日の出来事だった。その時はいていたのは、当時流行っていたコーデュロイのパンツ。作りが悪かったのか、どうにも動きにくかった事を記憶している。
母、それから妹とデパートに買い物に行ったあたしは、帰りにすぐ近くのアクセサリーショップに寄りたいから、と、デパートの駐車場を駆け抜けようとした。その時、視界が急に斜めに傾いた。「ん?」そう思った頃には、あたしは駐車場のど真ん中に横たわっていた。何が何だか分からず、ひざを見ると出血していたので、その時「あ、怪我をしたのね」そう思った。母が駆け寄り、妹は噴出す(奴は冷たい)。「大丈夫?」と母。「うん、よく分からないけど血が出てるね」とあたし。「その格好じゃお店には行けないから、今日は帰ろう」母にそう言われ、行けない事はないのに…と思ったがあえて逆らわず車に乗り込んだ。ふいに周りを見ると、居合わせたデパート帰りの客がこっちを見て笑っている。…そして、その時あたしは気付いた。自分が転んだという事に。よく見るとズボンが破けているし、血も出ている(さっきは気付かなかったのだ)。なるほど、この格好では店には行けないな、と納得。正月ボケもあり、あたしの脳はマヒしていたらしい。
後で話を聞くと、あたしの転び方と言ったらそれは見事で、背中に背負っていたリュックも、あたしもろとも見事に90度に横たわり、転んだ際に上になった方のあたしの足は、これもまた見事に90度に開脚してていたという。
あたしはよく転ぶ。
廊下にこぼれた給食を踏んでは転び、階段に足を引っ掛けては転び、ある時は何もないのに転んでしまう。20歳を過ぎ、出社時にさえも派手に転んでしまい、ストッキングを破き、両手をも怪我をしたという経歴を持つ。
転ぶ原因「歩く際に足が上がっていない」がやっと分かった今となっては転ぶ事も少なくなったが、家族団らんの際に話せるいい思い出として、今でも我が家で語り継がれている。
|