あたしの母は、よく嘘をつく。本人にその気はないのだが、その情報が間違いだと分かり、母を非難すると、彼女は決まってこう言うのだ。「そんな事は言っていない」と…。そんな訳で、彼女の話全てが本当だと思ってはいけない。…決していけない。
ある日ニュースを見ていると、顔のパーツが中心寄りのアナウンサーが映っていたので、あたしが母にそういうと、「そういう人をね、『風呂敷美人』って言うのよ」と教えてくれた。母曰く、『風呂敷を被り、顔の周りを覆い隠せば(パーツが中心に寄っている事が目立たないので)美人に見える』事が由来らしい。
あたしはなるほどと思い、何かの話の流れで友達に教えたことがあった。友達もなるほど、と言い、とても納得していた。
ある時、またテレビで顔のパーツが中心よりの芸能人を見かけることがあった。あたしが「あっ、『風呂敷美人』だ!」そう言うと、驚いた事に母は「はぁ?何それ」と言うではないか。
おいおいおい。自分が教えたんじゃないか。
あたしが母に教わったのだと言うと、母は「言ってないし、そんな言葉初めて聞いた」と、もがる(引き下がらず自分が正しいと主張する・の鹿児島弁…かな)。いやいや、確かに聞いたのだ。あたしはちゃんと覚えているのだ。誰が何と言おうとも母から教わったのだ。…そして友達にも言ってしまったのだ…!(『風呂敷美人』を信じていた期間・約6年)
他にも、「あそこは探偵事務所なのよ」だとか、小さい頃から信じていた事がたくさんあり、事あるごとにそれが真実でない(というか言っていない)と聞かされたあたし。あたしなりに分析したのだが、多分彼女はそういう冗談(のつもり)を言った後、「さっきの冗談よ!そんな訳ないじゃない(笑)」と付け加えるのを忘れてしまうのではないだろうか。…そうでなければあたしが悲しすぎる。
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