多分あたしが小学1年位の頃。弟が雑誌の懸賞に出すと言うので、手持ちの切手(当時41円)を分けて(売って)やったことがあった。弟は嬉しそうな表情で懸賞のハガキを書き、近くの郵便ポストに向かった。その5分後だろうか、あの子が泣きながら帰ってくるではないか。話を聞くと、あの懸賞ハガキを溝に落としてなくしてしまったらしかった。そしてあたしは我が耳を疑った。奴は泣きながらこう言ったのだ、「切手代返せ」と。
ちょっと待って欲しい。あたしは奴に切手を「売った」のだ。冷たいようだが、その後奴が買った切手がどうなろうが知ったこっちゃない(切手を返してくれるなら話は別だが)。あたしが断固として拒否していると、母が絶望的な言葉を口にした。
「(弟に切手代を)返しなさい」
当時あたしは小学1年。自分の感情をうまく言葉で表現する事が出来ず、結局泣く泣くお金を返した。あたしの主張(思っている事)が間違ってはいないと思っていたので、その後、母があたしに切手代をくれるのではないか、そういう淡い期待も持っていたからだ。
しかし、お金はとうとう返ってこなかった。
そしてあたしは41円切手と一度手にした現金41円を失った。
今でも、家族と過去の思い出話をしている時に思い出しては主張する。「あの時あたしは間違っていなかった」と。
家族には「しつこーい!」と笑いながら言われるが、そうじゃない。お金じゃない、あたしが正しいのになぜ切手代を返さなくてはならなかったのか、なぜ母は弟の味方をしたのか…(多分泣いてうるさかったから)。
この事件、代々語り継ごうと思っている(笑)。
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